非認知能力を高める
いい保育園の見分け方
保育園には大きく分けて
子どもを伸ばすホワイト保育園と
子どもをダメにするブラック保育園の2種類があります。
そんな中、近年では発達心理学の研究も身近なものとなり
「非認知能力を高める保育」が大変な注目を浴びています。
日本でもそれらを促す保育・教育は
幼児教育の柱とされるまでとなりました。
非認知能力は、子どもの人格形成に大きく影響を与え
未就学時期に身に付けたその能力は、後に認知能力をも高めると立証されています。
その為、保育園・幼稚園などでは
カリキュラムを通じて、子どもの能力を伸ばすいい園選びがとても重要です。
良い環境で育ち、
満たされた心を形成し、周りとのコミュニケーションを楽しむ子ども。
他者との違いを受け入れ、認め合う心が育った子ども。
あらゆる事に立ち向かう勇気や、問題解決への意欲を持った子ども。
「健全な成長」を促せるかどうかは、園の質にかかっているのです。
とはいえ、保育園に入れるだけで精一杯と言われるかも知れませんが
国の政策により幼保無償化が始まった今、
これからは認可保育園以外の選択肢も沢山選べる様になっていきます。
保育の勉強をして、資格を取っただけの保育士や
質より運営に気を取られた経営者には、子どもを伸ばす仕組みは作れません。
何が大事で、何が必要か
子どもを伸ばすいい保育園を選んで頂きたい
子どもを伸ばすいい保育園を作って頂きたい
その思いでこのブログを書きました。
大変な長文になりますが
カテゴリーに分けて、なるべく読みやすい様に書きましたので
じっくりお読み頂ければと思います。
Ⅰ.非認知能力を高めるいい保育とは
子どもが身につける能力には、認知能力と非認知能力の2種類がありますが、
学校は主に認知能力=学力を身につけるところですが、保育園は非認知能力を育てる場所とされています。非認知能力が高い子は、だんだんに認知能力も高くなる傾向があります。
まずは、非認知能力の3要素と、それぞれについて、子どもをダメにする保育について説明していきます。
加えて、発達障害の子どもへの対応、自己肯定感を高める保育がされているかについて、ご説明します。
1.忍耐力
人間形成に必要なこととして、
人は子どもの頃から様々なことを学んで成長します。
まだ何も分からない0歳の時から、
すでに学びは始まっています。
この図が表すように、
人間は5つの欲求を徐々に満たしていくことで
意欲と自立心を形成していきます。
そのためには、
人間の基礎となる欲求である安全を満たした上で
他者への興味関心を持つことが大切です。
しかし他者への興味を持つことは、
同時に自分以外の考え方や価値観に触れることになり、
自分だけの意思では物事が思い通りに運ばない、
という体験をすることになります。
そして、それらにおいて
「折り合いをつけること」
「伝える努力をすること」
「受け入れること」
「許すこと」
「駆け引きすること」
「寄り添うこと」など様々な経験を積み、
その上で「耐えること」を学んでいくのです。
そういった経験を上手く活用し、
事を運んでいくうちに、
いつの間にか他者から認められたり
褒められたりするようになっていきます。
保育園では、この様な体験を
「遊び」を通じて学べるように
計画を持って指導しています。
失敗や成功を繰り返しながら身につける事で
習得させる狙いがあるのです。
よって、その過程が十分に繰り返されることは
「忍耐力を育てる事」につながるのです。
※ マズローの5大欲求:アブラハム・マズロー(1908年~1970年 A.H.Maslow アメリカの心理学者)
彼が唱えた欲求段階説の中で、人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていて、底辺から始まって1段階目の欲求が満たされると1段階上の欲求を志すとしている。
良くないのは?
忍耐力を育てる上でよくない事は・・・
よく聞かれる質問ですが、
私たちは経験から次のようなことは
忍耐力形成の妨げになっているケースであるとしています。
● 子どもの反応を待てずに、答えを誘導する
● フォローが手厚すぎて、失敗体験が軽視される
● 成功体験に気を取られすぎて、
次々に簡単な体験ばかりをさせている
● 過度に順位付けを避けたり、
平等に捕らわれすぎている
● 個人差という言葉だけが一人歩きし、
出来る子と出来ない子の差を放置する
● 保護者と一緒になって促す体験が少なすぎる
(園だけで教育するのではなく
家庭でも一緒に体験を共有する)
など
2.社会性
人は、多かれ少なかれ必ず
他人と関わりながら生きていきます。
子どもも3人集まれば、
もうそこには社会が出来上がっていますし
小さなグループには
大きな社会の縮図や、
時には家庭の縮図が垣間見えてきます。
幼く、失敗をしても何回でもチャレンジできる
幼少期に、
この社会での対応力や
順応性を身に付けることこそ、
社会性の教育と言えるでしょう。
良くないのは?
園では、様々な子どもがいて
様々な家庭環境やルールがあります。
生活水準や価値観も違いますが、
それらはその先もそれぞれの子どもが生きていく上で、
日々身を置く場所と繋がっています。
いくら頭で分かっていても
「普通は・・・」という表現で、
批判的な意見を述べることは
誰しも多々あるかと思いますが、
子どもの家庭環境や
オカシナ親の価値観を
子どもの前で批判してはいけませんと
私は保育士に教えています。
それは、預ける側の保護者に対しても伝えたい事です。
例えば、よくママがパパに対してこんなことを言います。
「たまの休みに子どもの面倒を見たからって、
たった数時間相手しているだけでイクメンとか言わないで!!」とか
「私がどれだけの時間を
子どもに割いているかわかってる!?」とか
「二人の子どもなんだから、
子育ては共同作業でしょ!!」とか
どう思いますか?
これ、そのまんま保育園と保護者の関係に
共通する部分はありませんか?
どんな子に育って欲しいか、
そこが一番大切ですね。
毎日を通じて、子どもたちに笑って楽しんで貰うことが
基本だと思います。
質を高める意識のある園は、
保護者との距離感や対応力が上手なものですし、
園選びの際は、
見学を通じて垣間見ることができますので、
具体的に「社会性を育てるためにやっていることは何ですか?」
と聞いてみるのも良いでしょう。
3.感情のコントロール
これまでも、感情のコントロールについては
「忍耐力」と結びつけて書いてきましたが、
子どもに限らず、大人であっても
自分の感情に俯瞰した目を持つこと、
自分の機嫌は自分で取るということは、
一生涯役に立つスキルです。
子どものうちは、未就学児のうちは当然のように
感情コントロールは未熟です。
しかしその状況が他者との関わりの中で
少しずつ変化していきますので、
月齢に応じて
コントロールが上手くなるように
保育士は声がけをしていきます。
ただ、中には親や先生の顔色をよく見過ぎている子もいて、
家庭環境からそうなっている場合は
※アダルトチルドレンの種が育ってしまいますので
あえて感情をコントロールし過ぎないように
促すこともあります。
※アダルトチルドレン:子ども時代に親との関係で何らかのトラウマを負ったと考えている成人のことです。アルコール依存症や薬物依存症などのある親の元で育ったり、子育てや生活が機能していない機能不全家庭(無関心・過干渉・虐待など)で育った影響により、自己肯定感が低かったり、生きづらさのある人が含まれます。
良くないのは?
ズバリ、大人の都合に合わせられる
「良い子」を演じるために
感情をコントロールするようになることです。
その子が、その感情を
そのように表現した理由は何?
自分のため?親のため?誰のため?
ご家庭でも見守るようにしましょう。
園にいるときも、
お友達より先生にばかり興味を示してついて回る子や、
先生に見て欲しくて
「出来の良い子」であろうと努力する子がいますが、
もうここで違和感という名のSOSは感じ取れます。
家庭環境に不安がある方や、
下のお子さんが生まれた後などは、
先生にそういった傾向がないかと、
思い切って尋ねてみるのもいいと思います。
● 発達障害の子どもへの対応
園の中には、
発達障害によって感情コントロールが
上手く出来ない子もたくさんいます。
そういった場合は、
場にそぐわない行動や言動などから
保育士は気が付きます。
その状態を放置することは、
子どもの成長を何より妨げますので、
良い保育園は具体的な成長記録を
共有しながら見守っています。
正しい対応と指導のもとで成長を促すことで、
次第にコントロールが身に付くことも多いため、
保護者は、ぜひそう言った状況が疑われる場合の
園での指導法や保護者との関わり方を尋ねてみて下さい。
私が見てきた園では
「個人差があります」
「男の子だから」
「下に兄弟が出来たばかりだから」
「そんなことないですよ〜」など、
こんな言葉で故意に問題を先送りしている園が多々ありました。
しかし、この言葉は一時的には保護者の不安を解消するかもしれませんが、
それは「そう信じたい」「欲しい言葉」ではないでしょうか?
もし、そのような言葉でやり過ごしても
子どもが変わらないのであれば、
ぜひ、それぞれができることをすぐに話し合って下さい。
① 園でできること
② 家庭でできること
③ その他の場所でもできること
こういった関わりの中で、
解決できたり・軽減できたりすることが増えれば、
何よりその子の為になりますね。
● 自己肯定感を育む取り組みがされているか
自己肯定感を高める一番の近道は、
ほめられ・許され・愛されることです。
子ども達の中にも、批判傾向が強い子どもが沢山います。
私は、子どもは親(関わる大人)の教えたように
育っていると感じていますし、
批判意識が強い子は
何らかの批判にさらされて育っていますので、
先生から評価されているお友達や
人の失敗に対してもものすごく敏感です。
子どもの批判的な姿を目の当たりにすると
「なんでそんなこと言うの!?」
と叱っている先生やパパ・ママもいますが、
突然そんな子どもになる訳は無いので、
現象だけ捉えた注意は全く意味がありません。
常に、「どうしてなのか?」を、
自分自身を含め、顧みられると良いですね。
自己肯定感が低いと大人になってどうなるか?
簡単に言うと、誰かのために頑張れなくなります。
自分の存在が無意味に感じているので、
自分を傷つけることも増えますし、
本能的に肯定感をかき集めようと
理想的な自分の演出が過剰になり、
人に依存・物に依存し、
その内色々と見失います。
なので、自分が幸せでないことに
耐えきれなくなり、
壊れていく感情に
飲み込まれていきます。
実に、今の日本の84%もの高校生たちが
「自分をダメな人間だと思う」という回答をしています。
このような悲しい子どもたちが増えないように、
未就学児の教育を豊かにしたいものですね。
Ⅱ. 子どもをダメにする保育園とは
1.安全でない場所
具体的には?
施設内の安全対策、セキュリティ、個人情報の扱いを具体的に知りましょう。
定期的な国や市からの監査など、書面では対策が万全であると公表されている園であっても、
実際に機能させるには、
日頃の危機管理指導の徹底がカギです。
例えば、防犯・防災訓練も予告して行うだけではなく、
一部のスタッフしか知らされていない状況で実施されていれば、
本来の訓練がさらに意味のあるものとなり、
様々な問題点に気がつくと同時に、
いざという時にいかに備えるかが具体的にイメージできます。
預けている時間に予期せぬ事態が起きることは
十分に考えられますので、
いざ入園が決まり預けた後でも、
安全対策については保護者からの意見も言える環境であるか、
さらに、それらが本当に生かされているかもポイントです。
ご意見箱がただの箱になっている園もあるため、
前例に無い事でも建設的に耳を傾ける園は安心ですね。
また、今日においては家庭環境も多様化していますので、
虐待傾向の有無を踏まえ、
予期せぬ訪問や園児の引き取りの危険を
全てのスタッフが把握しているかも重要です。
日頃からシミュレーションをしながら、
パートさんや事務の方も電話対応の練習などをしている園は
理想的と言えるでしょう。
2.心理的に不安を与える場所
まず毎日の活動の中で月齢に応じて、
トイレなどの生理的欲求に対しての指導が穏やかで、
個人差を理解しつつ、
見守りと見届けを十分に意識することも、
子どもの安心につながります。
何歳までにオムツが外れていないといけない!などと
月齢と平均的な育ちに気を取られていないか、
園の指導法を具体的に聞いてみましょう。
実際に、園内トレーニングでの苦労や
過去の失敗事例などを尋ねるのも、
本音を聞けるポイントです。
これまで、トイレトレーニングを焦るあまり、
失敗してしまった園児に対して、
威圧的な目線を向けたり、
明らかに不機嫌な態度をとる保育士も見てきましたが、
そういった行為は言語道断です。
また園での生活において、
保育士がカリキュラムに気を取られたり、
保護者からのプレッシャーで、
結果を求めて評価を下していないか?
は、最も重要なポイントだと理解しましょう。
「保育園でしつけてもらいたい」と言う姿勢は
子どものためになりませんので
要注意です。
処罰的な発言によって
結果を引き出そうとしていないか
(出来ないんだったらあっち行っていなさい・・・!など)
目と耳を向け、
保育園の見学やお散歩などで遭遇した際には、
先生方の行動と発言に
注意を払うと良いでしょう。
残念ながら、
差別的・批判的で未熟な保育士や運営者は
たくさんいます。
そういった保育士や指導者は、
ダメ出しの姿勢が強く、
自分の経験値を信じすぎる傾向がありますので、
ベテランであっても
保育のプロとして
常に正しいとは限りませんし、
逆に経験の浅い保育士であっても、
いい保育士はいるのです。
知識は経験に勝るものではありませんが、
柔軟性や対応力に優れた人間性は
勉強だけでは身に付きません。
保育士に対して、
園がいかに質を高める教育をしているかも
聞いてみると良いでしょう。
園の中に、子ども達の絵や様子が貼り出されるように、
先生方の季節ごとのコメントや研修したことの感想など、
先生方の声が貼ってあれば、
努力の様子が保護者にも伝わり、素晴らしいですね。
園と保護者との信頼関係は
直接的な関わり以外でも積み重ねられる
と理解している事が、
子どもの成長にも良い影響を与えます。
しつけならば何でも許されるのか?
決して許されません!
子どもは叩かれて育てば
人を叩きますし、
批判されて育てば
人を見下す子どもになります。
しつけと称して
高圧的な態度で教育され育ってきた子どもは、
支配的で批判的な大人になりますので
保育士さんの中にそういう態度の先生がいれば、
きっと先生自身もそうしつけられてきたんだなと思います。
メディアでも度々目にするような、
ひどい園もそうですが、
その辺にある「普通の園」でも
教育か!しつけか!の線引きは
行う人のさじ加減でいくらでも変わってしまうので
預けた後のことも良く知っていきましょう。
3.子どもが信頼できないと思う保育士
下記のような先生は子どもをダメにします!!
①できない事をみんなの前で指摘する先生
(子どもにもプライドがあります)
②お母さんやお父さんに嫌われている先生
(親が嫌いな先生を好きだと言えなくなることも・・・)
③何かにつけて決めつけて怒ってくる先生
(子どもの言い分に耳を傾けられない先生は保育者ではありません)
④自分たちにダメだと言ったことを平気でする先生
(矛盾を感じ取り、人としてのズルさを学びます)
⑤すぐ親にチクろうとする先生
(本当のことを話さなくなります)
⑥みんながお昼寝で寝ている時に悪口を言っている先生
(悪口は伝染します)
⑦不潔な先生
(臭い・汚い・だらしないは子どもにも分かります)
⑧スキンシップが気持ち悪い先生
(深い意味を理解できていなくても、本能的に怖いはずです)
⑨上の空で返事をしている先生
(結構、子ども達に見抜かれているものです)
などなど
4. 子どもが行きたがらない保育園は?
お母さんやお父さんと離れたくないから、
先生が苦手だから、
園が苦手だから、
お友だちが意地悪だから、
もっと寝ていたいから、
もっと家に居たいから、
そんな気分じゃないから、
ダルいから。。。。などなど
子どもには子どもなりの理由が沢山ありますが、
基本的にとても単純な場合が多いようです。
そして、子ども自身にもその理由がわかっていない場合も沢山あり、
ただなんとなく行きたくない事だってあります。
ダメなもんはダメなの!
とたまには突き放しても良いと思いますし、
何でもかんでも
子どもの要求通りにはならないというのも、
一つの経験と教育です。
ただ気を付けて頂きたいのが、
先生とグルになって
むりやり園の中に押し込んで、
逃げるように会社に行こうとする親御さんです。
断末魔のような叫びをあげて
泣き叫ぶ子どもを見ていると、
なぜ後10分15分の余裕を持って登園してこないのか?
と保護者に対し思うことも多々あります。
そういった園児は、
大体、その後しばらく病んだ目をして
先生の手を独占することになりますし、
押し付けるように預けて行く保護者に対して、
先生は子どもの気持ちを思うと
ネガティブな気持ちが深まります。
保護者との信頼関係の元で
「共に子どもを育てていくパートナー」
としての関係性が悪くなります。
保育士不足の折り、
保育の質が低下する恐れが十分あります。
保護者の皆さんも十分に注意をしてくださいね。
また、台風などの悪天候の場合、
年末年始など
各自治体でも開園すべきかどうかや
預かり時間の
判断が違うことがあります。
認可保育園を含め、
保育園の判断に委ねられるケースもあるので、
十分気をつけましょう。
中には「預かってもらうのは当たり前だ!」として
保護者が園に対し声を荒げ、
双方の価値観がズレたために、
子どもが気持ち良く過ごせないケースもありました。
子どもが園と家庭の板挟みになる事は避けましょう。
Ⅲ.保育園の組織としてのレベルをチェックする方法をお教えします。
1.保育士への指導は適切に行われているか
園長は、保育基準により
保育についてはいけないとなっています。
なので、サポートとして入っている分には構いませんが、
完全に中に入り込んで
保育士のようになってしまっている園は注意が必要です。
保育士目線が強すぎる園長は、
運営の目線にかける場合が多く、
主観的であったり、
保育士をコントロールしようと
独裁的だったりする場合もあり、
現場での力関係(ハラスメント)が
出やすい状況が生まれます。
あくまでも、保育士と園長は役割が違うと
理解してください。
保育士への指導という名目で
価値観を押し付けられていないかがポイントです。
価値観の共有は必要ですが、
特に女性が多い職場ですから、
横や縦を見て
自分の意見を変えている保育士は多いはずです。
何かあったら「園長先生に聞いてみます」と
簡単な質問にも答えられない保育士ばかりであれば、
管理され過ぎている証拠です。
責任問題を過剰に意識しすぎ、
事なかれ主義が染み付いた体制には
「子ども主体の保育」はありません。
普段の会話にも注目し、
先生方の考え方にも触れてみましょう。
2.保育士が過重労働になっていないか、すぐやめていないか
これは、今の日本全体の問題と言えるでしょう。
どこの園も保育士が足りておらず、
常に誰の手でも良いから人手が欲しい
という園が溢れています。
毎年のように担任が入れ替わり、
特に保護者へは説明もなく
退社される先生もいたりするので、
退社された理由が気になるところですが、
なかなか保護者には真実は伝わらないでしょう。
しかし、辞めていかれる先生から
ヒアリングやカウンセリングをしてきた経験からお話しすると、
最も多いのが、人間関係のこじれです。
-
忙しさとストレスに追い詰められ、自分の能力の限界に悩んでやめられるケース
-
保護者からのクレームがトラウマとなり精神的に限界に達したケース
-
パワハラ・モラハラなどにより神経がすり減って、うつになったケースなど
辞めるからには
「辞めたくなる状況が継続的に続いていた」
可能性が高いのです。
日頃から先生方の様子を観察するだけでは
仕事量を知ることは難しいので
せめて、保護者からの要望や質問は
-
時間のある時で大丈夫なものは紙に書いて渡す(帰りに時間あったら教えてください、など
-
急いで返事が欲しい場合は時間を区切って有効にやり取りができる工夫をする(10分だけ話す時間ありますか?など)
-
人手の少ない時間帯と人手の多い時間帯を聞いておく(朝と帰りだったら、どちらが話す時間ありますか?など)
-
一方的なクレームや威圧的な態度を取らない(みんな言ってますよ!先生プロですよね!!?など)
このように、保護者側の工夫や協力が加わると、
先生の精神環境も良くなりますので協力できると良いですね。
3.保育士の間で子どもの特性を情報共有しているか
早番・遅番の間での伝達は、
引き継ぎノートや口頭での伝達を中心とし、
園全体での共有化は職員会議・定例会などですが、
時にLINEなどを使って
時間外にも情報共有していることがしばしばあります。
アレルギーや投薬、お迎え時間が
表になって貼り出されている場合もあります。
園によっては写真などを使って
シフト外の子どもの様子を
共有し合っているケースもありますし、
そこにアプリなどを導入している園も増えています。
個々の特徴の全体共有は、
入園時に提出して頂く資料を使い把握しますし、
既往歴など病気や予防注射などの新しい情報は
常に更新されていきます。
4.役所がチェックしているのは?
基本的に認可保育園・認可外保育園・企業主導型保育園などは
各自治体や国の機関からの監査や巡回視察などを受けています。
法令に基づき、
施設の設備・保育内容・指導案など
様々な項目でチェックを受け、
指摘箇所は改善を促された後に、
改善後の報告も行っています。
知らない方の中には、
認可外保育園は「無認可=無許可」だと勘違いされているケースがありますが、
きちんとした手続きを終えて開園していることがほとんどです。
園の入り口などに許可証があるはず
(見えるところに貼っておくように指示を受けるため)
なので探しましょう。
なければ無許可運営です。
また、市区町村のホームページにも
監査結果は公表されていると思いますので、
チェックしてみると良いでしょう。
5.保育士のスキルを高める研修が行われているかどうか
保育園でスキルアップ研修を行っている
ところも増えてきました。
運営母体が企業であったりする場合は、
傘下の系列園をまとめて研修したりもしているようです。
しかし、実際のところ保育業務が終わった時間以降に、
本社や研修会場にわざわざ足を運んで
座学を受ける場合が多く、
場所によっては移動時間に1時間以上と聞いたこともあります。
その実態を保育士さんにヒアリングをしたところ、
正直な話ツライです・・・
と打ち明けられることもあります。
なので、一概に研修を行っている園
=スキルが高い人材が豊富、ではありません。
私たちはそんな状況を危惧し、
保育園へ直接お伺いする「研修の出前」を提案しています。
そうすることで、
パートの先生や保育補助の先生などにも
スキルを高めて貰うことが可能となるからです。
人手不足を補うため、
質を高めるための工夫をどのように考えているか
また、研修した内容を具体的にどのように活用しているのか
が見える保育園がベストですね。
尚、研修を行っていない園でも個々の先生が
独自に外部研修に参加している場合もありますので、
そう言った先生がいらっしゃれば、質は向上していきます。
Ⅳ.最後に保育園とどう接すればいいか
近年、待機児童対策の名の下に
様々なスタイルの保育園が乱立しました。
認可・認可外・小規模・企業主導型などなど、
それぞれの家庭環境に合わせて
選ぶ園が変わると思いますが、
子どもの未来につながる教育を
「共に担える園であるか」を軸に、
不安や希望を丁寧に伝えつつ、
批判や粗探しを前提にしたコミュニケーションは避けましょう。
俯瞰した目を持ち、
信頼関係の持てる園を探すこと。
口コミやネットの情報だけでは不十分ですし、
実際に長く勤められている先生が
どんなタイプかを見極めるのが重要です。
長めに見学したり、
希望する園のお散歩先での様子を見たり、
運動会の見学なども良いでしょう。
中には、幼保無償化に伴い、
とにかくタダで預かって貰えれば良い!!
という価値観の方もおられるかも知れませんが
見せている部分ばかりに納得するのではなく、
丁寧に見てみましょう。
また、近年は認可外保育園だからこそできる、
素晴らしい取り組みも報告があります。
無償化が追い風となって、
保護者の保育料の負担が減ることで、
本来真っ先に考えたい質の底上げを
考えられるようになった認可外の保育園も多くあります。
保育料が無料だから良い訳でもありませんし、
高いから優れている訳でもありませんので
支払う保育料の正しい使われ方がわかる保育園を
見極める必要があります。
スポーツや情操教育に力を入れている保育園
はいい保育園か?
情操教育を意識的に取り入れている園は、
とてもいい環境が期待出来る保育園だと言えます。
しかし、体操・英会話・アートなど
様々な体験が出来ることは良いのですが、
中身が伴っているかは別の問題です。
それぞれのカリキュラムを詰め込むだけでは
情操教育にはなりませんので
やらせる事に満足していないか、
結果を求めて大人の都合の良い教育になっていないか、
子ども自体が自発的に楽しめる内容なのか、
選択できる内容なのかも大切でしょう。
Ⅴ.家で子どもにやってはいけないこと
教育・しつけは、時代とともに移変ります。
自分が子供の頃受けてきた教育やしつけは、
今では通用しない定義であったり、
全く根拠のない指導だったりすることも多々あります。
人は、心理的にも自分が受けてきた経験は
正しいことであると認識しやすく
思い込みに近い形で「これで良いんだ!」と
誤った指導を繰り返す可能性がありますので要注意です。
-
悪いことをしたから、こうされて当然だ!!
-
勉強できないのは怠けているからだ!!
-
空気が読めないのはしつけの問題だ!!
-
私も親にこうされていたが、今となっては感謝している!
などなど、教育論ではなく
感情論と継承によって繰り返される虐待も
確実に存在しています。
ですから、正しい保育園えらびは
「子どもにとって健全な成長を促すため」
に必要なことであり、
それぞれの家庭での教育にも100%当てはまることです。
保育園にだけ求めていても、
子どもの健全な成長はバランスを崩します。
ご自身が、どんな教育や生い立ちを経てきたとしても
「目の前の我が子」に対しては
全てが0からのスタートです。
ぜひ、子どもの明るい未来のために、
このブログを参考にしてくださいね。
【未来プラス舎】
HP https://www.miraiplus1221.com/
保育に+ぷらす、社会に+ぷらす
保育に関わる教育サービスを展開しています
これからの未来を支える子ども達の為に、
子ども達の笑顔と個性を大事に育むぷらすの未来の実現を目指しています。
「自分の子どもを預けたくなる保育園」
それが、未来ぷらす舎が本気で目指している保育園です。
「質」をちゃんと変えるお手伝い、お任せください。